続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~


 奈津美は更に全体像として見てみると、ベッドのすぐ下にかなり大きな布の塊があり、そこからそれは延びていた。


 そして、その大きな布の塊というのは、消えていた旬の掛け布団だった。


「旬!?」


 奈津美は、慌てて布団の塊に手をかけた。


 間違いない。これは旬だ。さっき奈津美が踏んでしまったのは、旬の腕だったのだ。


「旬! 旬!?」


 奈津美は旬の名前を呼びながら布団を引っ剥がした。


 すると、中からゴロリと、探していた人物が出てきた。


「旬? 大丈夫?」


 さっきから、腕を踏んづけてしまっても、何度呼びかけても、全く反応がない。

 旬はぐったりとした状態だ。


「旬……!」


 旬の体に触れたら、思わず手を引っ込めてしまうほど熱かった。これは思った以上にひどい状況かもしれない。


「旬……旬!」

 何度も呼びかけながら、重い上体を膝の上に乗せ、頬を叩いた。


「……うっ……」

 旬は苦しそうに眉間に皺を寄せて、細く目を開けた。


「旬!? 大丈夫!?」

 明らかに大丈夫じゃないのはわかるのだが、意識があったことにほっとして、奈津美はそうきいてしまう。


「ナ……ツ……?」

 目を細く開け、その中の黒目が奈津美と合った。


「これ……夢?」

 かすれた声で、旬は呟き、震える手を奈津美に伸ばし、頬に触れた。


 熱い。体もそうだが、手もものすごく熱かった。


「すっげーリアル……」

 まるでうわ言のように呟いた旬の手は、奈津美の顔から首筋へ下りていく。


「……!?」

 次の瞬間、奈津美は目を丸くした。


 旬の手が、そのまま下に下りたと思ったら、奈津美の胸の膨らみを鷲づかみにした。


 そりゃもう、見事なまでに、がっちりと。


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