続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「って! ひっでー! 何でいきなり叩くんだよぉ」
「いきなりは旬でしょ! 何考えてんの、こんなところで!」
「スキンシップだし! 愛情表現だし!」
「だからこんなとこでしないでって言ってるの! 恥ずかしいでしょ!」
きつく言い合っているようだけれど、奈津美と旬は楽しそうだ。
仲がよくて、お互いが本当に好き同士だということは丸分かりで、加奈は羨ましく思った。
「旬。お前、そういうとこ変わんないなー」
「うん。全っ然変わってない」
加奈も涼介も笑った。
旬は、昔からそうだった。
何に関しても真っ直ぐで、本能的だ。でも、それは周りの空気を和ませる。
だから、今も友達として、好きだと言える。
「じゃ、とりあえず入るか」
「そうだなー」
そう言って、一先ず園内へと向かった。
「おぉー! すっげー! でっけー! 色々あるー!」
「ホントー! テレビとか雑誌より迫力あるー!」
久々の遊園地に、加奈は胸を躍らせていた。
小さい頃からこういう場所が好きで、遊びに来ることが多かった。
特に高い所が好きで、絶叫系のアトラクションなんてたまらない。
近場にこういう場所ができたと知った時から、行きたくてしょうがなかった。
涼介に、ゴールデンウィークにどこに行きたいかと聞かれて、即答したほどだ。今日になるのが、待ち遠しかったのだ。
勿論、久々に涼介に会えるというのが大前提であったけれど。