続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
その翌日から、加奈は旬と話すことも、目を合わせることもできなくなった。
朝、教室で『おはよう』とだけでも言いたくて、でもそれができなくて……旬を避けるようになってしまった。
そんな風になって、加奈は毎日一人で泣いていた。
学校は、旬がいるから泣けなくて、他の友人の前でも明るく振る舞っていた。
そうしていたら、家で一人になると、涙がこらえられなくなってしまった。
そんな日が続いていた時、携帯が鳴った。
涙を拭きながらディスプレイを見てみると、涼介からの着信だった。
こんな時にどうして……
今出たら、泣いていることが声で丸分かりだ。加奈は、電話には出られなかった。
着信音は暫く鳴り続けて、ピタリと止んだ。
そして一分もしないうちに、今度はメールの着信音が鳴り響いた。
それも、涼介からだった。
何か急用だったのかな……
そう思い、加奈は洟を啜りながらメールを開いた。
涼介からのメールの本文は、とても短かった。
『大丈夫か?』
その文字が目に入って、加奈はドキリとする。
まるで、加奈の今の状況を見透かしてるかのようだった。
……そうだ。旬に何か聞いたのかな……
旬と涼介は、仲がいい。だから、加奈が旬に告白したことはもう知っているだろう。
涼介には、前に少しだけ旬のことが気になっているのだと言ったことがあった。
でも、告白してダメだったということは、言っていない。