続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

 ここはしらばっくれよう。

 そう思い、加奈は返信メールを作成する。


『大丈夫って何が?』


 それだけを入力して、送信する。


 メールなら、大丈夫だ。何を言われても、明るく誤魔化せる。


 涼介からの返信は、すぐにきた。


『旬に話きいたから。大丈夫なのか?』


 やっぱり、そのことだった。

 これ以上聞かなくても、涼介が何を聞いてきているのかは分かる。


 メールの本文に『旬』と入ってるのを見ただけでまた涙がこみ上げてくる。

 加奈はティッシュでそれを拭い、メールを打つ。


『そっか。聞いたんだ。

でも大丈夫だよ!

すっきりしたから!

もうふっきれたし。

心配させた? それならごめんね

ホントに大丈夫だから』


 できるだけ明るい絵文字を選んで、本当の気持ちを隠したメールを、加奈は送信した。



 その返事も、すぐに返ってきた。


『嘘つけよ。電話も出れないくらいのくせに』


 そのメールを見て、加奈ははっと気付く。


 ついメールを返してしまったものの、電話がかかってきてすぐにきたメールに返してしまったら、電話は無視したと丸分かりだ。


 それでも、加奈は誤魔化そうとする。


『何いってんの?

電話は出ようとしたら切れちゃっただけだよ』



 送信し、今度は少ししてから返ってきた。

 今度のメールは、少し長かった。


『無理すんなよ。バレバレなんだよ。

俺はお前が旬のことでどんだけ悩んでたのか知ってるから分かるんだよ。

学校でも無理矢理笑ってんだろ。

見ててこっちまでつらくなるっつーか……

だからせめて俺ぐらいには愚痴ってくれよ。

電話が無理ならメールでもいい。

ちゃんと全部聞くから』


 全部読んだ後、加奈の涙腺は崩壊して、ボロボロと涙が落ちた。


 そして、泣きながら、それでも迷うことなく、電話をした。

 勿論、涼介に……

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