続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「でも……俺、何か寂しかったから……大学入ってから、加奈とあんまり会えなくなって……だから、だんだん不安になってきて……」
涼介から、初めてそんな弱い言葉を聞いた。
「そんなの……あたしもだもんっ」
加奈は、涼介の背中に腕を回し、抱き締め返した。
涼介と加奈は、感じていたことがほとんど同じだった。
こんなことなら、もっと早く言っていればよかったと、加奈は思った。
「ねぇ、涼介……大丈夫?」
涼介の腕の中から加奈は尋ねる。
「何が?」
「こんなところに立ってて……」
「え……」
その時、ゴンドラは頂上に達したぐらいだったようだ。
強風でゴンドラが音をたててゆれた。
「うぉわあぁぁ!?」
奇声を上げ、涼介は加奈を放してその場にしゃがみこむ。
どうやら、高いところだということを思い出したらしい。
「りょ……涼介……」
「……見んなよ。かっこわりい」
しゃがみこんで立ち上がれないまま、涼介は呟いた。