続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
そして加奈は改めて旬と奈津美の方を向く。
「旬。ごめんね。気、遣わせちゃって」
まずは旬に謝った。
「全然。俺、気にしてねえから」
旬は笑顔で首を横に振る。
「……あと、奈津美さんも……ごめんなさい」
次は奈津美に頭を下げた。
勝手に勘違いをして、嫌な態度を取って、失礼なことを言ってしまったことを、心の底から謝った。
でも、これこそ本当に勝手だよね……
「ううん。あたしも、全然気にしてないから……大丈夫だよ」
奈津美の返事で加奈は頭を上げる。
奈津美は、加奈に向かって、優しく笑いかけていた。
女である加奈でさえ、思わず見とれてしまいそうなぐらい、綺麗だった。
旬がどうして奈津美にベタ惚れなのか、なんとなく分かった気がした。
「じゃあ、俺らは帰るから……」
涼介がそう言い出した。
「おう」
「奈津美さん、今日はありがとうごさいました」
「ありがとうございました」
涼介に続き、加奈も奈津美に頭を下げる。
「えっ……そんな、あたしは全然大したことしてないし……」
「おいー。俺にはないのかよ」
謙虚な奈津美に対して、旬は口を尖らせて主張する。
「ああ、忘れてた。サンキュ、旬」
「ありがとね」
「おう! まあ、大したことはしてないけどな」
「何よそれ」
奈津美の呆れた声のツッコミに、四人で笑った。
「それじゃあな。旬、奈津美さん」
「また今度、時間があったら遊びに行こうね」
「おう!」
「うん」
そうして、旬と奈津美に手を振って別れた。