続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
結婚かぁ……
階段を上りながら、奈津美は改めて考える。
今が適齢期っちゃあ適齢期? ちょっと早いぐらいか。
適齢期といったら、二十代後半から三十代前半のことをいうのだろうか。
今年二十四の奈津美で考えてみたらまだ早い。
それでも、世間では女性は晩婚化しているいうのに、周りは早婚が多い気がする。
そうなると、奈津美も女としてプレッシャーのようなものがないこともない。
でも、あまり考えたことなんてなかった。というか、あまりピンとこない。
例えば、今付き合っている、旬との結婚とか……
「あ、ナツ!」
三階に上がると、聞きなれた声がした。
「え……旬?」
奈津美は目を丸くする。
「もう来てたの? まだ八時半なのに……」
今日は、旬が泊まりに来る予定だった。
帰りが何時になるかは漠然としていたので、多分九時頃には帰ってると言っていたのに、旬はこんな時も早い時間に来ていた。
「うん! でも来たのは十分前ぐらいだよ。全然待ってないし。ナツも早かったな」
「うん。思ったよりね」
「よかった、早く来てて。ナツに早く会えたし」
旬は笑顔で言った。
「もう……旬ったら」
旬の表情に、奈津美の表情も緩んだ。