続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「――でさ、ナツはどういうのがいい?」


「え……」

 いきなり話を振られ、奈津美は我に返った。


「やっぱナツはドレスの方が似合うだろうけどー、白無垢とか十二単も見てみたいし」


 奈津美は唖然としてしまう。

 いつの間にそこまで話が発展してるのか……


「そ……そんなことよりっ」

 奈津美は思い出したようにクッキーを口へ放り込み、立ち上がった。


「旬、お風呂は入ってきた?」

 それ以上発展する前に奈津美は無理矢理話を変えた。


「ううん。それはまだ」

 旬は首を横に振って答える。


「そう。今日はシャワーだけでいい? 今からお湯張ってたら遅くなっちゃうし」


「うん」


「じゃあ今日はあたしが先に入っていい?」


「……んー。一緒に入る」

 旬は満面の笑みで返してくる。


「えっ」

 奈津美は目を丸くする。


「たまには一緒に入ろ?」

 甘えた目で旬は奈津美を見上げた。


「い……嫌! 恥ずかしいもん」


「えー? 今更じゃん。恥ずかしがることないじゃん」


「恥ずかしいのは恥ずかしいの! だから嫌!」

 奈津美はそう言いながらパジャマと下着を引き出しから出す。


「ちぇー。いいけどさ。後でいっぱい見て触れるから」

 旬はニッと笑った。


「……旬のエッチ」

 奈津美は顔を赤くしてそう言ってから脱衣所に向かった。



 旬の目の届かないところにきて、奈津美はため息をついた。


 なんとか、結婚の話を誤魔化せた。

 でも……それはそれで微妙な心境だった。


 奈津美の話題変更に、旬はあっさりと結婚の話をやめた。

 あのまま食らいつかれていてもそれはそれで困るけれど……


 奈津美はもう一つ大きなため息をついた。


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