返シテクダサイ《都市伝説》



気味悪そうに、それでも再生ボタンを押すと白い靄は羽山の隣を先ほどと何一つ変わらぬ様子で通り過ぎていった。


直後。




【ギギギギギギギイ】




錆びた門の動く歪な騒音がスピーカーから流れた。


勿論、こんな音はしていなかった。


現に、画面の中の俺たちは何の反応も返さずに裏口へと辿り着いて、その外観を眺めている。


俺が、丁度振り返って門を見たときだ。


あの時、門を閉めたヤツが確かに居たんだ。


映像は進み、裏口の扉を開けた羽山の、その隙間を縫うようにしてまた白い影が病院内へと入っていった。




【ちゃんと閉めないと、ダメですよ。そういう決まりなんです】




女の、声が、スピーカーからトロリと流れた。


ゾッと俺達の背筋に悪寒が同時に走った。互いに顔を見合わせ、同時に今の声が気のせいではないことを互いのその引きつった表情から見て取ると、また視線を画面に戻して行く末を見守った。












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