返シテクダサイ《都市伝説》
『うわあっ!!』
『どうしたの?』
『鏡』
『なーんだ、自分の顔見て驚いてたの?』
『これがサチコってヤツが現れるっていう鏡か?』
【サチコちゃんのお知り合いですか?】
『どうだろう?』
『酷い割れようだな』
【買い換えるお金がなくて】
『ねー、肝試ししに来た人かな?』
【いいえ、ハンセン病の方が、割ったのです】
映像はブレながらも鏡を映す。
その割れたガラスの中に、微かに写った、奇怪な身体。目がない、ただ空洞だけがある、その身体。
奇妙な場所に形作られた口が、ニヤリと笑って、いた。