俺の大切なひと。
「明日はきっと言い日になるよ」
「それ、俺が昨日言った言葉」
「あれ、そうだった?」
彼女といると心地良くて自分を失わなくて済む。ここにいてもいいよと言ってもらえるようで……本当に楽だ。
でも彼女と出会った当初、お互いに無い物ねだりばかりしていた。
能力の“ない”碧と、能力はあっても“それを生かすことはしない”俺。
だから喧嘩ばっかで……だけど次第にそれは無くなり、お互いの居場所になろうと距離を縮めてきたのだ。