Secret love 【改訂版】

まだ明るい空にホッとしつつ、私は家へと急いだ。
私の家は会社から電車で三十分ぐらいの場所にある。帰宅ラッシュの電車は満員で、なんとか体を滑り込ませると窓外を死守する。
景色を見ながら、駅へと到着するのを待つ。毎日がそんな感じだ。
 
駅から歩いてすぐのマンションに戻ると、一番にシャワーを浴びてルームウェアに着替える。きつく結んでいた髪を解くと緊張が解けるようでホッとした。
私の髪はこの二年ずっと伸ばしていて、緩くパーマがかかっている。それを解くと背中を隠すぐらいの長さだ。それを無理にネットに押し込んでいるため、かなりきつく縛っている。

メガネも度は入っていない。こんな格好をして、都心から離れたマンションに住んでいるのはもちろん理由があるわけで。

私は小さく息を吐くと、冷蔵庫からいくつか材料を出し、簡単に夕食を作るとお気に入りのソファへと座り、ノートパソコンを開いた。
こうして一人でゆったりすると、ようやく自分に戻れたような気がした。
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