Secret love 【改訂版】
少し怒っているのか、照れ隠しなのか俺に何かをするのは慣れていない彼女らしく、言い方はぶっきらぼうだったが、そのお陰で徹夜明けでもなんとか仕事をこなせたし、自宅でシャワーも着替えもできた。
そしてあろうことか一日一食まともに食べればいい所を、昼食まできちんと取った。
新しい秘書の一面を見た気がした。
ぼんやりと、水川さんが出て行ったその扉を見ながらそんな事を考えていると、目の前でスマホが音を立てる。
「もしもし」
『もう仕事終わるか?』
それは昔からの友人である清水弘樹からの電話だった。