Secret love 【改訂版】
「かわいい子いなかったのか?」
俺は声を掛けてきた女の子たちに視線を向ける。
「俺が声を掛けてくる子に興味がないのはお前だって知ってるだろ?」
そう、どんなにかわいい子でも弘樹は俺と違い、絶対に誘いには乗らない。
俺はいつのころかどうせ俺の中身など誰も見ていないと思ってしまって以来、適当に軽い付き合いを繰り返している
そんな自分もどうかと思うが、女なんてそんなものだと思う。
軽くグラスを合わすと、一気にビールを流し込んだ。
「どうしたんだよ、週末に早く帰るって」
弘樹は俺の目の前でタバコにゆっくりと火を付けると、紫煙をくゆらせる。
「徹夜明けなんだよ。気づいたら朝で」
苦笑しながら言った俺に、弘樹は納得するように頷く。