Secret love 【改訂版】
「お前、本当に集中すると周りみえないよな。じゃあいつものように何も食べてないのか? 軽いもの頼もうか」
俺のことをよく知っている弘樹がメニューを手にするのをみて、小さく首を振った。
「それが今日は秘書が変でさ」
俺の意外な言葉に、弘樹も選ぶのをやめ視線を合わす。
「変? なんだよそれ。お前の秘書ってどんな子だっけ?」
長年一緒に飲むことも多いが、初めて話に出たかもしれない秘書のことを俺は弘樹に話す。
「ふーん。じゃあそのおかげできちんと飯を食ったんだ」
なぜか面白そうに言うと、弘樹が店員にピザを注文する。
「まあな」
「でも勝手なイメージだけど、珍しいタイプだよな。大人しい秘書って。あっ、もしかしてお前の女避けか?」
確信を持った表情で言う弘樹に、俺は怪訝な表情を浮かべる。