Secret love 【改訂版】
「どっちが勝ったんですか?」
「俺だよ」
香織の問いに弘樹さんも微笑み返す。
そんな二人は、楽しそうに二人で会話を始めた。
「徹夜明けだからだよ」
少し遅れて戻ってきた副社長は、そう言いながら一気にグラスの中のアルコールを流し込む。
「徹夜明けに大丈夫ですか? そんなに一気に飲んで」
私はつい昼間の延長で、そう声を掛けると副社長はジッと私を見た。
「なに? なんですか?」
至近距離で見つめられて、私はあたふたと言葉を発する。
「なあ? どっちが本当のお前?」
「え?」
少し眠そうな副社長だったが、さらに近づくと私の全身に視線を向ける。
「別人みたいだ」
アルコールのせいなのか、初めてみる妖艶で大人の雰囲気を纏った副社長に、私は一歩後ろに後に下がる
しかし、そこに段差があり私は倒れそうになってしまい、慌てて手をテーブルに伸ばした。
その手はあっさりと副社長に取られ、グイっと引き寄せられる。
「あっぶな」
そう言いながら、抱きしめられるような形になり私はもはやパニック寸前だ。