僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
私の心の色で染められたような
真っ黒な靴を見つめてると
「前園?」
聞き覚えのある声が
私の肩をビクンと跳ね上げた。
待って。待って。
この声って……
違うよね?
聞き間違えだよね?
恐る恐る視線を上げる。
ひ……ひぃえぇぇぇ!!
は……波多野くん??
男女問わず
たくさんの友達に囲まれている
クラスの人気者が、
首をかしげながら私を見つめている。
陽キャラの波多野くんは
陰キャラの私とは
何もかもが正反対。
会話したことなんて、一度もない。
高校3年間、同じクラスでも。
それなのに……
なんで、ヒーローショーで
会っちゃうかな?