僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
「あ……え……あ……」
波多野くんに対して
まともな返事なんて
出てきてくれない。
だって私。
戦隊ヒーロー好きって
親友のしーちゃんにしか
白状していないんだよ。
毎週一人で
ヒーローショーを見に来るなんて、
女子高生なのに、痛すぎでしょ?
このままじゃ……
クラス中。
いや、学校中にバレちゃうよ!!
ど……どうしよう……
『前園美羽ではありません』
そう言い切って
この場から逃げちゃおうかな。
焦りで右往左往する私の瞳が
あるものを捉えてぴたりと止まった。
外国のお人形さんみたいに
愛くるしい瞳の女の子が、
波多野くんの手を握っている。
この子って……もしかして……
「波多野くんの……子供?」
あまりの衝撃スクープに
声が口から漏れてしまった。