僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

「リリも
 美羽ちゃんって呼んでいい?」


「う……うん
 いい……よ」



 なぜか鼓動が
 早くなってきちゃって。


 リリちゃんにさえ
 たどたどしい返事になっちゃった。



「たっくんも、美羽ちゃんだからね」


「は?」


「リリが美羽ちゃんって呼ぶんだから。
 たっくんもだよ」



 そんなムチャぶり。
 波多野くん、明らかに困っているよ。



 他人事だと思って微笑んでいると
 その矢が、今度は私に飛んできた。



「美羽ちゃんも
 たっくんって呼んで。いい?」



 リリちゃんに
 そんなことを命令されても……

 恥ずかしすぎて……呼べないよ……

 

 それにね。


 高校で人気者の波多野くんを
 『たっくん』なんて馴れ馴れしく呼んだら

 クラスの女子たちから
 睨まれちゃうんだよ。



 波多野くん狙いの女の子
 学校にたくさんいるんだから。
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