僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

「ねえ、美羽ちゃん。
 一緒に観覧車のろう!」


「観覧車?」



 キョトンとする私に
 波多野くんの呆れ声が続く。



「リリん家は、
 ヒーローショーを見た後
 観覧車に乗ってから帰るんだってさ」


「リリのお家では
 そう決まってるの!」



 観覧車かぁ。

 最後に乗ったのは
 小学生の時かなぁ。



「私も一緒で……いいの?」


「美羽ちゃんが一緒じゃなきゃ
 リリ、嫌だもん」



 でも……
 波多野くんは嫌だよね?



 逃げ場のない狭い密室で。

 私なんかと
 一緒にいなきゃいけないなんて。


 波多野くんの心の中を確認するように
 瞳を見つめてみた。



「み……美羽!! 
 な……なんだよ!!」



 ほら。
 分かりやすいくらい嫌がっている。

 

 あからさまに視線を外されたから
 間違いない。
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