僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

「リリちゃん。
 私は遠慮しておくね」


「なんで?
 たっくんだって
 美羽ちゃんと観覧車に乗りたいよね?」



 だから……

 その『たっくん』が
 拒絶しているんだって。



 波多野くんがかわいそうだから
 私ぬきで観覧車に乗ってきて。



 そう伝えたいけれど。

 リリちゃんに泣かれるのが怖くて
 声が出てきてくれない。



 その時
 空を見上げたままの波多野くんの声が
 私の耳に届いた。

「美羽も……乗れば?」


「え?」


「リリも……喜ぶし……」


「私が一緒でも、いいの?」


「美羽が嫌なら……
 ムリに誘わないけど……」
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