僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


 交じり合った視線を
 先に逸らしたのは
 波多野くんで。


 気まずそうに空を眺めて
 ごまかしている。



 波多野くん、ごめんね。


 観覧車から降りたら
 猛ダッシュで波多野くんの前から
 消えるから。



 あと少しだけ
 私と一緒にいることを
 我慢してね。



 波多野くんがかわいそうになって
 私の気持ちまで沈みかけた時、
 弾んだ声が、私の心を癒してくれた。

 
「じゃあリリ、
 観覧車まで美羽ちゃんと手を繋いでく」


「うん」



 リリちゃんの小さな手が温かくて。

 微笑んでくれるリリちゃんが
 天使みたいにかわいくて。

 勝手に目じりが下がってしまう。



 私にも姪っ子ちゃんがいたら
 甘やかしちゃうんだろうな。
 ウフフ。
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