僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 自分の席に座ったまま
 体中の悪い気を吐き出していた時

 突然私の机の上に
 ビニール袋が置かれた。



 ん? 
 何、これ?



 この状況がわからなくて
 視線を上げる。



 机の前には
 恥ずかしそうに私から視線を逸らす
 波多野くんが立っていた。





「袋の中に
 リリからの手紙が入ってるから」


「あ……ありがとう」



 波多野くんと
 ヒーローショーで会ったのは
 昨日のこと。



 ショーの後
 リリちゃんと3人で観覧車に乗った。



 バイバイするときには
 波多野くんに笑顔で話せるまで
 距離が縮まっていたけれど……


 いざ、学校で会うと。
 ムリだよぉ!!



 馴れ馴れしく
 お喋りなんかできないし。


 顔を見てニコッと笑うことだって
 できない。
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