僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 わけがわからないまま
 視線を上げる。



 ひょ……ひょえぇぇ!!


 波多野くんの顔が……
 私のほっぺの、すぐ横に!!



 離れて! 今すぐ! 

 顔、近すぎだから!!



 そう叫びたいけれど……


 髪の毛の先っぽまで
 ガチガチに固まってしまった私。

 

 その時
 信じられないような言葉が
 私の耳に降ってきた。



「昨日会ったの……
 偶然じゃないからな……」



 え? え?

 
 ヒーローショーで
 ばったり会ったのが、
 偶然じゃない?



 今の波多野くんの発言。
 どういうこと??



 聞きたいのに。
 教えて欲しいのに。


 接着剤で固められたように
 私の口は動いてさえくれない。

< 130 / 375 >

この作品をシェア

pagetop