僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 私たちは並んで廊下を歩き
 二人だけになれる
 穴場スポットにやってきた。



 誰も通らない階段に並んで座り
 私は膝の上にお弁当を広げる。



 でも……

 しーちゃんは
 バックからお弁当箱を取り出す
 気配がない。



「しーちゃん、お弁当は?」


「お腹すいてないの……」



 今日もかぁ。



 こうなることは、
 朝からわかっていた。



 マスクをつけて
 ほっぺを髪の毛で隠している日は
 しーちゃんはお弁当を食べないから。



 また、彼に
 暴力を振るわれちゃったのかな……?



 ほっぺのアザを見られたくなくて
 マスクを外せないんだろうな。
 私の前でも。
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