僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
「しーちゃん。
私が作った卵焼き、好きでしょ?
一個あげよっか?」
「美羽ちゃん、ありがとう。
でも、今日は
お腹の調子が良くなくて……」
「じゃあ、ほうれん草の胡麻和えは?
お腹に良さそうじゃない?」
「今日は何も……
食べられそうにないの……」
「そっかぁ。勧めてごめんね。」
「そんな。美羽ちゃんは悪くないよ。
私の方こそ……ごめんね……」
しーちゃんがマスクをしている時。
いつも私は
見て見ぬふりをする。
辛そう瞳を光らせる
しーちゃんの心の痛みを。
だって。
しーちゃんの恋に口出しして
嫌われちゃったらイヤだもん。
学校で私と仲良くしてくれる
唯一の友達を
なくしたくないもん。
でも……
おかしい。絶対におかしい。
彼氏だからって。
しーちゃんのことが大好きだからって。
殴っていいはずがない。
春輝くんなら……
絶対に女の子を殴ったり
しないよね……?