僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 私の真横に座っているしーちゃんが
 苦しそうに唇を噛みはじめた。



 瞳には
 大粒の涙が溜まっている。



 しーちゃんの涙が決壊した瞬間
 怒りしか込められていないような瞳が
 私を睨みだした。
 


「美羽ちゃん……
 なんでそんなこと言うの?」


「え?」


「慶ちゃんと別れるなんて……
 できるわけないよ……」


「だから私が、一緒に行って……」


「なんで? 別れなきゃダメなの?
 私と慶ちゃんが付き合っていて。
 美羽ちゃんに迷惑かけてるの?」



 階段にこだまするほど
 大声を張り上げたしーちゃん。



「これは、私と慶ちゃんのことだから。
 放っておいてよ!!」



 大粒の涙をボロボロこぼしながら。

 私への苛立ちをを
 声に込めてぶつけてくる。



「美羽ちゃんなんて、大嫌い!!」



 その言葉を残し、
 しーちゃんは
 階段を駆け下りて行った。



 私の学校での友達が
 ゼロになった瞬間だった。


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