僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 顔を見ないまま
 階段を駆け下りようとした時


「ちょっと来て!!」


 跡がつきそうなほど強い力で
 春輝くんは
 私の手首をつかんできた。




「ごめん、僕。
 みゅうみゅうの手、放す気ないから」


「やめて……離して!!」


「いいから、ついて来て!!」



 普段の穏やかな春輝くんとは
 別人のような、強い命令口調。



 意志がはっきりした瞳に
 瞳の奥の奥まで見つめられ

 私の体は
 諦めたように脱力した。



 今の私には
 春輝くんの手を振り払う力さえ
 残っていない。



 引っ張られるように階段を登り、
 私は、神社の境内まで
 連れてこられた。
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