僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
マー君は、本当に優しい。
子供の頃からずっとそう。
僕が泣き止むまでは
絶対に声なんてかけてこない。
魔法でも使っているんじゃないかって程
自分の存在を消してくれる。
僕の心の中で暴れていた
悲しみの波が、
ゆりかごぐらいの
穏やかな揺れに変わったころ
マー君が僕に
不愛想な声を発した。
「俺の期待、裏切ってんじゃねえよ」
「何……それ……」
「春が笑いながら帰ってくると思ったから。
張ってやったのに……」
ほら、やっぱり優しい。
マー君パパに100%激怒されるのに。
僕のために
言霊神社に結界を張ってくれて。
僕はベッドの上で体を起こすと、
三角座りで
膝の上にほっぺを押し当てた。
笑顔なんて湧き出てこない。
うつろな瞳のまま
心の中の想いをマー君に吐き出す。