僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
キラカードを胸に
波多野くんからもらったキラカードを
胸に当て、
今、私は、廊下を走っている。
しーちゃんの教室を覗く。
ぐるっと見回しても
しーちゃんはいない。
今まで二人でお弁当を食べていた
階段についた時。
寂しそうに肩を落とすしーちゃんと
目が合った。
慌てたように
その場に立ち上がった、しーちゃん。
待って。待って。
お願い。逃げないで。
「しーちゃんに……
話したいことが……あるの……」
私の声を聞き、
スカートを握りしめ立ち尽くすしーちゃんが、
消えそうなほどか細い声を出した。
「私……別れたの……」
え?
「私……フラれたの……
慶ちゃんに……」