僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 そんな苦しい現実から逃げるように、
 私はしーちゃんに背を向けた。



 階段を下りる足取りが重い。

 でも
 早く消えてあげなくちゃ。

 しーちゃんの瞳に、
 大嫌いな私が、映り込まないように。



 止める気にもならないほど
 瞳からあふれ出る涙。



 階段に落ちた涙の雫を
 自分の足で踏みつけた時

 いきなり後ろから
 階段を駆け下りる音が聞こえてきた。



「違うの……違うの……」



 振り向くと、
 私よりも涙で顔がぐしゃぐしゃの
 しーちゃんが、駆けてきた。



「美羽……ちゃん……
 行かないで……」



 え?

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