僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
 
 意味が分からなくて、
 ぼんやりと波多野くんの手元に
 視線を送る。



 ひょ……
 ひょ……
 ひょえぇぇぇぇ!!



 わ……わたし……

 自分の手のひらで
 波多野くんの手を、包み込んでるよ!!



 しーちゃんと仲直りできたことに
 浮かれすぎていて。

 無意識に、波多野くんの手を
 ぶんぶん振り回してたんだ。



「ご……ごめん……」



 慌てて手を離したけれど
 波多野くんの手の温もりが残っていて。

 つま先から上へ上へと
 恥ずかしさが込み上げてきた。



「やべっ。かわいい……」



 へ?



「無防備に照れるとか、
 マジでやめて欲しいんだけど……」



 ひょえ?


 波多野くんの口から出た
 日本語の意味が、理解できないよ。



 サクランボのように真っ赤に染まった頬を
 大きな手のひらで隠す波多野くんが
 目の前にいて、
 私の顔まで火照ってしまう。

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