僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
その時。
小さく開いた彼の唇が
たどたどしい言葉を発した。
「もしかして……魔法使いさん?」
ま……魔法使い?
「僕のお願い……
叶えに来てくれたの?」
置き去りにされた子犬みたいに、
切なそうに瞳を揺らすその男の子に。
どんな言葉を返していいかわからない。
「え……と……」
「それとも、ウサギの国から来たの?」
ウサギ??
私のどこら辺が、ウサギなの??
クラスで一番、背が小さいから?
恥ずかしいと
すぐにほっぺが赤くなっちゃうから?
「私は……あの……」
「どっちでもいいよ」
「え?」
「魔法使いでも、ウサギでも」
「……」
「どっちでもいいから……
僕のお願い、叶えてくれない?」
「お願いって?」
「忘れさせて。
僕の大好きな人のこと」