僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

『最後は
 春輝くんの、好きな女の子のタイプね』



 ひゃく桃さんの声が
 私の心臓を一、気に加速させる。



 春輝くん。
 どんな子が好きって答えるのかな?

 きっと

 明るくて、芯がしっかりしていて。
 明梨んみたいな子を、言うんだろうな。



 駆け出していた私の心が
 失速を始めた。



 ねずみ色の分厚い雲に
 心が覆われていくのがわかる。



 春輝くんの声を聞きたいのか
 聞きたくないのかさえ、 
 わからなくなってきた。



 耳を塞いじゃおうかな。

 それとも
 この場から逃げ出しちゃおうかな。



 そう思った時

 予想外の言葉が
 私の耳に飛び込んできた。
 
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