僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
心の中の悪魔とサタン
☆春輝side☆

◇◇◇

 ラジオで勝手に
 みゅうみゅうに告白してから、
 3週間がたった。



 今日はいよいよ
 アミュレットのヒーローショー本番。


 
 開演15分前なのに。

 王子様風ヒーロー衣装をまとった
 僕の心は、
 地面に落ちたまま、動けずにいる。



 ファンの子たちのキャーキャー声が聞こえる
 ステージ袖に、
 隠れるようにしゃがみ込んで。

 自分でも説明ができない心のモヤモヤに
 押しつぶされそうになっている。



「こんなとこで、何やってるわけ?
 殺陣の確認しときたいとこ、あるんだけど」



 僕の前に現れたマー君。

 声色がいつもより柔らかくて、
 情けない僕を、明らかに心配している。



 僕を上から目線で、
 怒鳴りつけてくれないかな?


 そうすれば、グチャグチャな心の闇が
 僕の中から、逃げ出すかもしれないから。
 
< 276 / 375 >

この作品をシェア

pagetop