僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
「マー君。
なに? いきなり……」
手首をつかまれ、戸惑う僕。
マー君はお構いなしに、
僕をステージの袖に、引っ張っていく。
「ちょっと……どうしたの?」
「いる!」
「え?」
「だから、ウサギが見に来てるって
言ってんの!」
ウサギって……
みゅうみゅうのことだよね?
「そんなはずないよ。
だってみゅうみゅう、
彼氏さんと遊園地に行くって……」
「そんなこと知らねえけど。
確かにいるから。
一番左後ろの、イチョウの木の下」
マー君に促され、
ステージ袖ののぞき穴から
僕は、客席を覗いた。