僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 春輝くんは
 膝の上の泣き出しそうなウサギに
 全く気付いていない。


「でも、僕の家には来ない方がいいね」


「ん?」


「番犬に、追い出されちゃうから」


「番犬??」


「吠えてばっかりの番犬マー君」


「怪人をやってくれるマー君って
 ワンちゃんなの?」


「そんなわけないじゃん。
 みゅうみゅう、面白すぎ」



 春輝くん。
 そこまでケラケラ笑わなくても……


 面白発言なら
 春輝くんの方が圧倒的に上だからね。



「魔王並みに上から目線だけど。
 一応、人間だよ。
 マー君ね、僕のお部屋に居候中なの」


「仲が良いんだね」


「舐め合ってるの」


「え?」


「お互い抱えている、心の傷を。
 ペロペロってね」
< 59 / 375 >

この作品をシェア

pagetop