僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 面白すぎ!と言いながら
 足を下ろして笑い転げている春輝くんに
 軽く睨んでみた。



 全く効果なし。

 相変わらず
 お腹を抱えて笑っている。



 でも、ちょっと嬉しいな。



 こんなに笑っているなら
 今は明梨んのこと、忘れているよね?



「春輝くん。蹴り方を教えてよ」


「ごめん、ごめん。
 落ち着くまでちょっと待って」



 もう。
 落ち着くまでって言いながら
 余計に笑い声が大きくなっているよ。



 時間もないし
 一人で練習をしていようっと。



 春輝くんから離れて、右足を上げてみる。
 
 なんか違う。



 回し蹴りだから、横から蹴るんだよね?



 う……

 幼稚園児がヒーローの真似をして
 キックをしていますってレベルだよ。



 絶望的。
 私、アクションのセンス、ゼロだ。
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