僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 そんな私の心の中なんて
 見透かす余裕がないくらい

 春輝くんの瞳は真剣そのもので。


 
「足の動きは、こう。
 ひざを曲げて。
 かかとをお尻にくっつけて。
 勢いよく蹴る」



 そう言いながら

 私のふくらはぎを掴んで
 蹴り方を教えてくれているんだけど……


 すごく丁寧に
 教えてもらっているんだけど……



 
 どうしよう。
 全く頭に入らない。



 だって。

 春輝くんに触れられている
 ふくらはぎの脈が、
 超特急で駆けていて。


 春輝くんの真剣な顔が、近すぎて。


 ふらっとよろけたら
 チュってしちゃいそうで。



 ドキドキに支配された脳は
 耐えられなくて稼働停止。

 
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