僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 やっぱり言っちゃったんだ。

 『春輝くんにドキドキしちゃう』
 なんて。



 な……な……
 なんとかごまかさなきゃ。



「回し蹴りをかっこよく決めちゃう
 春輝先生を見たら、
 女の子はみんな
 ドキドキしちゃうに決まってるよ」


「ほんと?」


「本当だよ」


「アクションしていれば、
 僕もかっこいいって思ってもらえるかな?」


「うん。うん。
 モテモテ間違いなしだね」



 何、私の変なテンション。


 告白ともとれる私の心の声を
 ごまかせているのか、わからない。



「みゅうみゅう
 ちょっと休憩しよう」



 春輝くんは瞳を陰らせながら
 ベンチに腰を下ろした。


 慌てて私も
 ベンチの端っこに座る。



 春輝くんはうつむいたまま
 何もしゃべらない。


 お互いの間に
 無言の重苦しい空気がまとわりついている。



 先に言葉を発したのは
 春輝くんだった。
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