僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
私の心がザワザワしはじめ
縫い針で刺されたように
チクチクと痛みだした。
赤ペンで書かれた文字。
『司会のお姉さん、登場』
司会のお姉さんって……
誰がやるの?
私じゃ……ないよね?
もしかして……
いきなり襲ってきた不安を
増幅させるように
自信なさげな春輝くんの声が
私の耳に届いた。
「明梨んが……
司会をやりたいって言うんだけど……
いいかな?」
明梨んって……
春輝くんの大好きな女の子だよね?
春輝くんは、ピクリとも笑わない。
苦しそうな表情のまま
じっと地面を見つめている。
さっきまで私の心に刺さった針は
1本だけだったのに。
今は嫉妬という針山を押し当てられたように
何か所も鋭く痛む。