僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

「春はさ、俺と二人だけの時は
 ピクリとも笑わねえけど。
 他の奴の前では、
 辛くても笑ってるわけ」


 そんな感じだね。


「自分の心がえぐられてる時でも
 笑うんだぜ。
 バカじゃねえのって思うけど。
 そういう奴、アイツは」



 春輝くんって。
 一緒にいる人を楽しませようって
 頑張っている感じだもんね。

 

「そんな春がさ
 最近すっげー楽しそうでさ。
 ウサギに会ったとか。
 ヒーローになっちゃうとか。

 俺と二人だけん時でも
 意味不明なこと言いながら
 ケラケラ笑っててさ」



 良かった。


 春輝くんの心の痛みを
 和らげるお手伝いを
 私もしてあげられたってことだよね?



「お前、
 春の心の闇を消し去る魔法でも
 使ったわけ?」


「魔法……?」


「俺、アホか。
 いくら魔法でも
 心までは操ることはできねえか。
 そんなこと
 俺が一番よくわかってるのにさ」


「マトイ……くん?」


「春さ
 ウサギにに謝りたいって思ってるから。
 そのチャンス。明日作ってやって」


「でも……」


「頼む」

 
 え?
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