Angel's Tears
僕も負けじと目一杯ブランコを漕いだ。

「よし!」

風の力に身を任せそのまま勢いよく靴を飛ばした。

そうすると靴はその風に乗ったかのように彼女の靴よりも遥かに遠くまで飛んで行った。

「嘘だ!絶対に嘘だ!」

彼女は心底悔しそうにしていた。

そんな彼女を見てガッツポーズをしたのは一生墓場まで持っていくつもりだ。

そんなことを思っていたと知ったら彼女はどんなことを考えるのか何となく想像してみた。

多分悔しいってすぐ泣くのかな…。

そんな所も可愛いけど…

「何ぼーっとしてるの?」

考え事をしていて気づいたら、目の前に彼女の顔があった。

咄嗟に目を逸らす。

顔が赤いこと…気づかれてないかな…

ソワソワしている僕を見て彼女は

「なんか今日の○○くん変なの!笑」

腹を抱えて笑うくらいおかしかったようだ。

少し複雑な気持ちもありつつどこかこそばゆい様なそんな気持ちになった。
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