あなたの残したタカラモノ〜一粒の雫〜
悪戯っぽく笑うサユリ。
俺は知らんぷりして、口にくわえた煙草にライターの火を近づける。
「別に。話題ふっただけ。」
吸い込んだ煙をフーッとサユリに吹きかける。
「ちょっと〜!煙いよ。───な〜んだ。少し期待したのに」
「……で?」
「どうも変わりないよ。もしサユリがフラれたら蓮のところ行くからねっ」
そう言って笑うサユリは俺の腕に絡み付く。
「俺はゴメンだな。サユリみたいにエロい女は。」
「蓮だって〜!サユリ以外にもいっぱいセフレいるくせにっ」
「すげえだろ?」
「そこ自慢するところじゃ、なくない?」
サユリは笑い、立ち上がると服を身につけ始めた。
背も高く、すらりと長い足。モデルという職業柄、やはり美人である。
しばらくサユリの後ろ姿をぼんやり見ていると、
「そういえばいつも蓮って、するとき必ずゴム付けるよね?今日もサユリ、安全日なのに…──どうして?」