男子校生の愉快な一日
「えっと〜……キャンユースピークジャパニーズ?」

カタコトすぎる英語でとりあえず対応する。とは言っても、次郎の英語の成績はオール2だ。テストではリスニングで何とか点を取っている。

「No」

すぐに旦那さんが返事を返す。その声は想像よりも低く、次郎は一瞬怯んだものの、旦那さんのシャツのゾンビを見てあることを思いついた。

「ゾンビ、ソーキュート!アイラブゾンビ!アイラブバイオハザード!」

次郎がそう言うと、ずっと怖い顔だった旦那さんの顔がにこやかになる。そして次郎の手を掴んで早口で何かを話し始めた。次郎は何を言っているのかわからないが、とりあえず喜んでいることだけは伝わってくる。

その後、旦那さんたちを席に案内する。幸いメニューは日本語の下に英語で書かれているため、次郎はホッとした。

旦那さんはハンバーグステーキを、奥さんはエビフライ定食を、息子はお子様ランチを頼み、次郎はしっかりオーダーを取る。

「I'm from Canada」
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