ボーダーライン。Neo【中】

 3

 あのワンマンライブの日から、早くも四日が過ぎていた。

 憂鬱な気持ちを中々切り替えられず、あたしは暗い顔で日々をやり過ごしている。

 親友の美波があろう事か、あたしの彼氏に恋愛感情を抱いていた。

 そんな事は初めてだった。学生の頃から美波と親しくしているが、未だかつて好きな人が被った事など一度も無い。

 あの後。美波からは誤解を招く言動をして悪かった、とメールを貰った。

 全く他意は無いのだから心配しないで、と強く言われた所で、一度生じた不安が消える訳もなく、重いため息ばかりを吐き出していた。

 以前彼女と交わした会話がふと脳裏に蘇る。

 ーー「事前に結婚の約束までさせて……檜くんが可哀想」

 今だからそう思うのかもしれないが、彼を庇うその言い方には、女特有の妬みすら感じる。

 根底にある私情が、あのキツイ言葉を生んだのではないか。そう思っていた。

 けれど何よりも、親友を相手にそんな考え方をしてしまう自分自信に対して、あたしは酷く落ち込んでいた。

 そんな日々の中、変化は唐突に訪れた。

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