ボーダーライン。Neo【中】

 そして女性医師から聞いた診察結果を、順を追って話す事にした。

 彼は予想通り困惑し、顔を曇らせていた。

 赤ちゃんが出来たと認識したにも拘らず、流れてしまったと聞いたのだから、彼としてもどんな反応をして良いのか分からないようだった。

 それでも構わずに、医師から聞いた今後の処置を説明する。

「赤ちゃんは駄目だったけど。手術はちゃんとしないといけなくて。
 今日行った産婦人科じゃ、その手術が出来ないみたいだから。別の病院でって紹介状書いて貰ったの」

 ソファーに座りながら、あたしは檜に寄りかかった。

「そっか。手術っていつするの?」

「月曜日。しあさってだよ」

「そんなに早く??」

 檜は目を丸くし、あたしの顔を覗き込んだ。

「うん。体の為にも、手術は早くした方が良いんだって」

「そー……なんだ」

 少しの間沈黙し、檜が意を決して言った。

「俺も行くから」

「え?」

「手術の日。何にも出来ないけど。心配だから。学校休んで行く」

 不意に込み上げるものを感じ、あたしはまた泣きそうになった。

 檜が側についていてくれるだけで、心強い。

 あたしは優しく肩を抱く彼の綺麗な手を見つめ、やっと本音を吐き出した。

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