ボーダーライン。Neo【中】

「俺、あれからずっと考えてたんだけどさ。幸子の親に、挨拶に行こうって思う」

「え。それって」

 檜は高校の制服姿に目を落とし、困った風に微笑んだ。

「うん。そんな簡単に認められるなんて思ってないけど。そういうのはちゃんとしておきたいから」

「……檜」

「だから。認められて俺が高校卒業したら……結婚しよ?」

 一瞬、夢かと思った。

 だって今のは、紛れも無いプロポーズだ。

 あたしは数回瞬きをし、それでもゆるゆると顔を綻ばせた。

 妊娠は駄目だったのに、まさかこんな展開になるなんて、思いもしなかった。

 檜があたしと同じ気持ちでいてくれた事に、あたしは只々、幸せを感じていた。


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