ボーダーライン。Neo【中】
我先にと足を踏み出すと、カイの声が背中へ追い付いた。
「ヒノキが抜けた後。もしかしたら三人でユニットを組むかもしれないけど。それはそれでいいよな?」
「え?」
僕は不意に振り返った。
「音楽だけで活動するのがヒノキの理想なんだろ? だったら俺らはそうやってバンドを続けてく。文句無いよな?」
僕は曖昧に目を逸らし、そうだな、と頷いた。
「……陸と陽介に。何て言うかだけど」
「大丈夫だよ」
「え?」
僕の隣りを通り越し、カイが言った。
「二人には、今夜俺から話をする」
カイの言葉を受け、頼んだ、と。ただそのひとことしか言えなかった。
***