ボーダーライン。Neo【中】
「えー、詳細は近日出版される週刊誌にて、という事なんですが……」
僕は液晶の奥に開示された記事を他人事のように見つめ、あんぐりと口を開けていた。
「はぁぁ~~!? なんだこれッ!!?」
最早現実とは思えない。軽く逃避しかけた時。
『なにって、こっちが訊きたいよ』と竹ちゃんがほとほと疲れた声で呟いた。
『日頃から、くれぐれも記者には気をつけろ、規律ある行動をしろって、口酸っぱく言ってきたのに。本当やってくれたよなぁ……』
落胆した声の調子から、彼が肩を落とす様子がありありと目に浮かび、僕は苦い顔で頭を掻いた。
「わ、悪い。竹ちゃん」
『謝るなら社長に言ってくれ。こっちは朝からてんやわんやなんだ』
ーーだろうなぁ。
問題になった写真を見て、僕はそれが昨夜撮られたものだと直ぐに理解した。
一見、僕と笹峰さんが抱き合っているように見える写真だが。
実際のところは段差で転び掛けた彼女を、僕が咄嗟に受け止めた場面だ。
ーーやっぱりアレは……勘違いじゃ無かったんだ。
苦々しい顔で、昨夜聞いたシャッター音を思い出す。